マッチング事例紹介

先端技術の光が伝統工芸品に華やかさをもたらす

四季や伝統を織り込んだ日本人のこころである越前指物と、最先端技術の光であるLED光源を用いた導光板技術とのコラボである。

企画・商品名 導光板と工芸品のコラボ「LED照明内蔵の越前指物」
企業名 (有)ユタカ建商
企業名 (株)ライティングアース(福井市)
マッチング内容

◎各社のプロフィール:

・(有)ユタカ建商: 越前国府の置かれた古の時代に、京の都から腕の良い指物師が集まり、技が伝承されてきたのが越前指物の歴史と言われている。その釘や金具を一切用いない指物技術を駆使し、約40年の間、ユタカ建商は木工細工「越前指物」を現代のくらしの中で如何に取り入れてゆくかを提案し続けてきた。現代のストレス時代の新しい住まいづくりとして、木の温もりと和紙の優しさが癒やしの空間を作り出す。大量生産にはない、その手仕事による建具のすばらしさを、この平成の世で訴え続けている企業である。

・(株)ライティングアース: 福井市の工業団地に本社・工場を置き、導光板とその関連製品の設計・製造・販売を行なう企業である。元々はアクリル加工企業の導光板製造事業部であったが、事業部から独立し、新たな事業展開を進めている。 導光板はLEDなどの点光源を利用し、その均一な光を面光源とした製品である。最近では、導光板を用いた商品も多く、液晶ディスプレーのバックライトをはじめ、その面光源の特徴を生かした電飾サイン、什器関連、検査装置関連、そしてアミューズメント用途まで多岐に渡っている。

◎連携の経緯: 

ユタカ建商の従来の照明付きの建具製品では、どうしても白熱電球や蛍光灯を利用していることから、厚さがかさばってしまい、また非常に高い熱を持ってしまうという問題があった。製品自体の厚さをもっと薄くし、熱を持たせない光源を探し求めていた。一方、ライティングアースの導光板製造事業では、看板や什器などの電飾用途が多く、アルミなどの軽金属との組み合わせがほとんどであった。その為、もっと広く導光板を利用して欲しいと異業種企業とのコラボの模索をおこなっていた。今回、ユタカ建商としては導光板を利用する事で従来の問題が解決し、ライティングアースも新たな市場開拓の道が開け、両者の思いがここで結実したものである。

   

◎連携にあたっての課題と工夫: 

単純に建具に光をあてるだけでは、指物の柄などの意図するところが伝わらず、反って冷たく、無機質な感じをも与えてしまう。 その為、面光源のグラデーションや色合いを駆使することで光の演出を施し、越前指物の世界観の表現に役立てる。また、導光板で厚さを薄く出来る上、電源を交流ばかりに頼る必要も無いことから、電池を使用する事で建具の商品開発の幅を広げる事が可能となる。